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スパッタリング/材料知識

接着剤不要のスパッタリング材料の秘密:シード層の役割と機能

ロールツーロール真空スパッタリングプロセスは、金属薄膜の製造に一般的に使用される技術であり、シード層がスパッタリングプロセスで重要な役割を果たします。シード層は、通常、数ナノメートルから数十ナノメートルの厚さの非常に薄い金属膜であり、金属膜の開始点として基板の表面にスパッタリングされます。

シード層は、スパッタリングプロセスにおいて主に次の機能を果たします。

接着を促進: シード層は良好な接着面を提供し、その後にスパッタリングされる金属膜が基板にしっかりと接着できるようにします。基板表面に滑らかな界面を形成し、欠陥や界面応力を低減し、金属膜の接着性と構造安定性を向上させます。

結晶核形成の提供:シード層は通常、良好な結晶性を有し、金属膜の成長のための結晶核として機能し、それによって金属膜の結晶成長を促進することができる。これは、高品質でほぼ単結晶の金属膜を得るために非常に重要です。

均一化された層の厚さ: シード層の均一性は、その後のスパッタリング プロセス中に金属膜を均一に成長させるために重要です。均一な開始点が提供されるため、金属膜は厚さのばらつきや不連続性がなく、基板表面全体に均一に成長します。

導電性の向上: 一部のシード層材料はそれ自体が優れた導電性を持ち、金属膜構造全体の導電性を向上させることができます。これは、電子部品や太陽電池など、多くの用途において非常に重要です。 一般的に使用されるシード層の材料には、ニッケル (Ni)、クロム (Cr)、チタン (Ti)、チタン合金 (TiN など) などがあります。適切なシード層材料の選択は、金属膜の望ましい特性、プロセス条件、およびアプリケーション要件によって異なります。

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以下では、スパッタリング方式の薄型2層フレキシブル銅張積層板 FCCL を例に、シード層の役割を紹介します。

当社の薄型2層フレキシブル銅張積層板の基材はポリイミドフィルム(PIフィルム)などの絶縁基板であるため、電解めっき法で直接銅導体層を形成することはできない。 そこで、基材フィルム上にニッケル(Ni)やクロム(Cr)などの金属をスパッタリング法で薄く数十ナノメートルのシード層を形成する。 シード層は、その後のめっき工程で陰極として機能するほか、導体(銅などの金属)と基材フィルム(PIフィルム/PETフィルムなど)との密着強度を安定させる機能(接着剤に近い)もある。 シード層形成後、銅めっきを施せば、電解銅箔製造工程と同様の信頼性の高い安定した接合特性を得ることができる。

※ロールツーロールスパッタリングに関するほかの質問については、公式サイト上部の<よくある質問と回答>をご覧ください。
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